「子にお墓を残さない」人が増える背景とは?墓じまいの費用・手続き・供養先

墓じまい費用は「撤去」と「供養先」を分けて考える

墓じまいの総額は、お墓の広さや立地だけでなく、改葬先の種類でも大きく変わります。単一の平均額だけで判断せず、費用を項目ごとに分けて見積もることが大切です。

民間調査では31万~70万円が最多

鎌倉新書が2024年に公表した実態調査では、改葬・墓じまいを実施した人の費用帯は「31万円~70万円」が24.2%で最多でした。ただし、有効回答者が同社サービスの利用者であること、費用帯が幅広く分かれていることから、全国一律の相場ではなく参考値として見る必要があります。

主な費用の内訳

  • 墓石撤去費:解体、運搬、処分、基礎撤去、整地
  • 行政手続き費:証明書や許可証の交付手数料、郵送費
  • 供養に関する費用:閉眼供養のお布施など
  • 改葬先の費用:永代供養料、使用料、納骨料、管理料
  • 追加作業費:遺骨の洗浄、乾燥、骨壺交換、運送

墓石撤去費は、区画の面積、墓石の大きさ、重機や車両が入れるか、階段や狭い通路があるかで変わります。指定石材店制度がある墓地では、依頼先を自由に選べないこともあります。

見積書では「墓石処分」「基礎撤去」「残土処分」「整地」「遺骨取り出し」が含まれているかを確認しましょう。工事後に追加請求が出ないよう、現地確認を受けたうえで総額と追加条件を文書にしてもらうことが重要です。

費用を比較するときは、撤去工事と改葬先を分けて見積もり、最終的な総額で判断します。永代供養料が安く見えても、納骨料や年間管理料、法要料が別途必要な場合があるため、契約後に発生する費用まで確認してください。

離檀料やお布施に定価はない

寺院墓地から離れる際、これまでの供養への謝礼として離檀料を渡す慣習がありますが、法律で金額が決められているものではありません。国民生活センターも、高額な離檀料を求められたという相談事例を注意喚起しています。

金額に納得できない場合は、その場で即答せず、名目や根拠を確認して話し合います。親族や寺院の宗派本山、地域の消費生活センターに相談する方法もあります。

費用だけでなく、親族・寺院・石材店との行き違いも注意点です。よくあるトラブルと防ぎ方を次のページで解説します。