介護施設は、パンフレットやホームページだけでは分からないことが多くあります。費用や設備がよく見えても、実際に見学すると雰囲気が合わない、職員の対応に不安がある、追加費用が多いと気づくこともあります。

親に合う施設を選ぶには、複数の施設を見学し、同じ基準で比較することが大切です。ここでは、施設見学で確認したいポイントを整理します。

まずは施設全体の雰囲気を見る

施設に入ったときの第一印象は大切です。清潔感があるか、においが気にならないか、職員があいさつしてくれるか、入居者が落ち着いて過ごしているかを見ましょう。

豪華な内装である必要はありません。大切なのは、親が安心して過ごせる空気があるかどうかです。見学中に職員が入居者へどのように声をかけているかを見ると、普段の対応が分かりやすくなります。

職員の対応を確認する

質問に対して丁寧に答えてくれるか、都合のよい説明だけでなく注意点も伝えてくれるかを確認しましょう。見学時の対応が雑な施設は、入居後の連絡や相談でも不安が残ることがあります。

また、職員の人数、夜間体制、看護師の勤務時間、緊急時の対応方法も聞いておきましょう。特に持病がある親や転倒リスクが高い親の場合、夜間や休日の対応は重要です。

入居者の様子を見る

施設見学では、設備だけでなく入居者の様子も確認しましょう。食堂や共有スペースで、入居者がどのように過ごしているかを見ると、施設の雰囲気が分かります。

会話があるか、職員との距離感は自然か、表情が落ち着いているかを見ることが大切です。ただし、見学時間によって雰囲気は変わります。可能であれば、食事の時間やレクリエーションの時間も確認するとよいでしょう。

親の性格に合うかを考える

にぎやかな雰囲気が好きな人もいれば、静かに過ごしたい人もいます。レクリエーションが多い施設が向く人もいれば、自由度の高い生活を好む人もいます。

家族が良いと思う施設と、親本人に合う施設が同じとは限りません。親の性格、生活リズム、人との関わり方を思い出しながら見学しましょう。

食事の内容を確認する

施設での生活では、食事の満足度が大きな意味を持ちます。メニュー、味付け、量、食事時間、持病に合わせた食事対応、噛む力や飲み込む力への配慮を確認しましょう。

可能であれば、試食ができるか聞いてみるのもよい方法です。糖尿病や腎臓病などで食事制限がある場合は、どこまで対応できるかを具体的に確認する必要があります。

医療連携と認知症対応を見る

高齢になると、入居後に医療や認知症対応が必要になることがあります。今は元気でも、将来的に介護度が上がる可能性を考えておくことが大切です。

医療面で確認したいこと

  • 協力医療機関はどこか
  • 看護師は常駐しているか
  • 夜間の急変時は誰が対応するか
  • 通院付き添いは可能か
  • 薬の管理はしてもらえるか
  • 看取り対応があるか

医療対応は施設によって差があります。胃ろう、インスリン、酸素療法、褥瘡処置などが必要な場合は、受け入れ可能かを必ず確認しましょう。

認知症対応で確認したいこと

認知症がある場合は、徘徊、昼夜逆転、被害妄想、帰宅願望などへの対応経験を確認します。認知症対応を掲げていても、実際にどの程度まで受け入れられるかは施設によって異なります。

入居後に症状が進んだ場合、退去を求められる条件があるかも大切です。今の状態だけでなく、将来の変化を想定して確認しましょう。

追加費用と退去条件を必ず聞く

施設見学では、月額費用だけでなく追加費用を確認しましょう。オムツ代、理美容代、洗濯代、通院付き添い費、レクリエーション費、医療費、日用品代が別途かかることがあります。

また、退去条件も重要です。入院が長引いた場合、医療行為が増えた場合、認知症の症状が重くなった場合、費用の支払いが難しくなった場合にどうなるのかを聞いておきましょう。

見学後は比較表にする

複数の施設を見ると、記憶が混ざりやすくなります。見学後は、費用、場所、雰囲気、職員対応、食事、医療連携、認知症対応、追加費用、退去条件を表にして比較しましょう。

介護施設は、感情だけで決めると後悔しやすいものです。見学では、親が安心して暮らせるか、家族が納得して支えられるかを具体的に確認し、条件で比べながら選ぶことが大切です。

出典:厚生労働省「介護サービスの情報公表制度」介護サービス情報公表システム「最初にお読みください」