在宅介護だけを正解にしない

在宅介護には、住み慣れた家で過ごせる良さがあります。しかし、すべての家庭に向いているわけではありません。認知症が進んで火の不始末がある、夜間の徘徊がある、転倒を繰り返す、介護者が体調を崩している場合は、家で見ること自体が危険になることもあります。

親族に説明するときは、「施設に入れるかどうか」だけでなく、「このまま家で過ごすと何が危ないのか」を伝えることが大切です。親本人の安全、介護者の健康、家族全体の生活を合わせて考える必要があります。

第三者の意見を入れる

家族だけで話すと、どうしても感情的になりやすくなります。ケアマネジャー、地域包括支援センター、医師、介護施設の相談員など、第三者の意見を入れると、親族も状況を受け止めやすくなります。

特に、遠方の親族には「自分たちだけで決めた」と思われない工夫が必要です。介護認定の状況、ケアプラン、医師の説明、施設見学の内容などを共有し、判断の過程を見えるようにしておきましょう。

施設選びは早めに動いた人ほど選択肢が残る

親の状態が急に悪化してから施設を探すと、空きがある施設だけで選ばざるを得ないことがあります。費用、場所、医療連携、認知症対応、面会のしやすさなどを比較する余裕がなくなると、入居後の不満にもつながります。

まだ在宅介護を続けられている段階でも、候補となる施設を調べておく意味はあります。今すぐ入居しないとしても、費用感や受け入れ条件を知っておけば、親族との話し合いも現実的になります。

口出しを防ぐには情報を先にそろえる

介護していない親族からの口出しに振り回されないためには、感情で反論するよりも、情報をそろえておくことが効果的です。介護状況、費用、安全面、専門家の意見、施設候補を整理しておけば、話し合いの主導権を失いにくくなります。

施設入居は冷たい選択ではありません。親を守り、介護する家族も倒れないための選択肢です。家族の誰か一人が限界まで抱え込む前に、入居施設を含めた現実的な準備を始めておくことが大切です。

出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」厚生労働省「介護サービスの情報公表制度」